Function calling / GPT-4, GPT-3.5の0613モデル等のOpenAI APIアップデート情報まとめ

2023/06/16


2023年6月13日にOpenAIからAPIのアップデート情報が公開されました。

公式のリリースはこちら「Function calling and other API updates」より。


今回のアップデートで、よりGPTモデルを自社サービス等に組み込んで開発しやすくなる「Function calling」機能や、既存のgpt-3.5, gpt-4モデルの新バージョンの発表などがありましたので、下記にて内容を解説します。

発表のポイント

  • 「Function calling」機能を搭載したGPT-3.5 TurboとGPT-4の新しいモデルである0613版が登場
  • gpt-3.5-turboの入力トークンの価格を25%コスト削減
  • gpt-3.5-turboの4倍のトークン(4096token→16384token)を扱えるgpt-3.5-turbo-16kが登場し、価格は2倍
  • gpt-4とgpt-3.5-turboは6月27日に0613版へ自動アップデートされる
  • Embeddingsモデルのtext-embedding-ada-002は、1Kトークンあたりのコストを75%削減


  • アップデート内容詳細

    1. Function callingについて

    GPTのモデルに対して関数(Function)を説明することができ、モデルは関数を呼び出すための引数を含むJSONオブジェクトを出力し、外部ツールとより確実に連携することができます。

    モデルが、関数が呼び出される必要があるタイミングを検出し、関数の定義に従ったJSONで応答するため、開発者はモデルからより確実に構造化されたデータを取得することが可能になります。

    開発者がモデルに関数をJSON Schemaを通じて説明し、必要に応じて特定の関数を呼び出すように指示することを可能にします。


    【Function callingの例(公式ドキュメントより)】

  • 外部ツールを呼び出して質問に答えるチャットボットの作成(例えば、ChatGPT Pluginsのようなもの)
  • 「来週の金曜日にアーニャにコーヒーを飲みに行きたいか聞くメールを送る」をsend_email(to: string, body: string)という関数呼び出しに変換
  • 「ボストンの天気はどう?」をget_current_weather(location: string, unit: 'celsius' | 'fahrenheit')に変換
  • 自然言語をAPI呼び出しやデータベースクエリに変換
  • 「今月のトップ10の顧客は誰?」をget_customers_by_revenue(start_date: string, end_date: string, limit: int)という内部API呼び出しに変換
  • 「アクメ社は先月何回注文した?」をsql_query(query: string)を使用したSQLクエリに変換
  • テキストからの構造化データを抽出
  • extract_people_data(people: [{name: string, birthday: string, location: string}])という関数を定義し、Wikipediaの記事に記載された全ての人物を抽出



  • 2. モデルのアップデートについて

    GPT-4とGPT-3.5 Turboの最新モデルとして、新たな0613版モデルがリリースされました。それぞれのモデルのアップデート内容は下記となります。

    GPT-4

  • Function calling機能を含む改善されたモデルであるgpt-4-0613を発表
  • 上記のgpt-4-0613と同様の機能に加え、より多くのトークンを扱えるgpt-4-32k-0613を発表
  • アップデートに伴い、GPT-4のAPI Wait Listからより多くのユーザーをテストに招待し、更にWait Listの完全開放を準備中

  • GPT-3.5 Turbo

  • Function calling機能を含む改善されたモデルであるgpt-3.5-turbo-0613をリリース
  • gpt-3.5-turbo-0613は更にSystem messageでより信頼性のある操作ができるように改善
  • gpt-3.5-turboの扱える文脈(トークン)を4倍にして価格を2倍にしたgpt-3.5-turbo-16kをリリース(1リクエストで約20ページのテキストをサポートできるように)

  • 旧モデルの廃止

  • 旧モデル(gpt-3.5-turbo、gpt-4、gpt-4-32k)を使用するアプリケーションは、6月27日に0613版の新モデルに自動的にアップグレード
  • 旧モデルはAPIリクエストにgpt-3.5-turbo-0301、gpt-4-0314、またはgpt-4-32k-0314を明示すれば旧モデルを引き続き使用することは可能だが、9月13日以降はリクエストが失敗するようになる


  • 3. APIの低価格化

    既存APIの効率化を実現し、利用料の低価格化が発表されました。

    Embeddings

  • text-embedding-ada-002の1Kトークンあたりの費用を75%減の$0.0001に引き下げ

  • GPT-3.5 Turbo

  • gpt-3.5-turboの入力トークンの費用を25%引き下げ
  • 1K入力トークンごとに$0.0015、1K出力トークンごとに$0.002で使用できるように
  • 約1ドルで700ページを処理できる計算となる
  • gpt-3.5-turbo-16kの価格は、1K入力トークンごとに$0.003、1K出力トークンごとに$0.004となる

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    この記事を書いた人

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    CEO of Parame, Inc.

    Akiyoshi Okano

    2017年にアクセンチュア株式会社に入社し、AI、音声認識、ブロックチェーン、機械学習等の最先端テクノロジーを用いたPoCプロジェクト中心に参画。 2020年に株式会社Parameを創業。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2020」にてシリコンバレープログラム選抜の受賞実績等。